葬儀に際しては参列は叶わなくとも、弔電や供花、お供物といった形で温かい弔意を寄せてくださる方も数多くいらっしゃいます。こうした金品ではない、あるいは香典とは別の形でのご厚意に対しても、後日きちんと感謝の気持ちを伝えるのが丁寧なマナーです。その際、最も適した方法が「挨拶状(お礼状)」を送ることです。ここでは弔電と供花それぞれに対する挨拶状の具体的な文例をご紹介します。これらの文例は返礼品を伴わないお礼状単体で送る場合を想定しています。【弔電へのお礼状 文例】「(故人の続柄・氏名)儀 葬儀に際しましては ご鄭重なるご弔電を賜り 誠に有難く厚く御礼申し上げます温かいお言葉に 家族一同 大変慰められましたおかげさまをもちまして 滞りなく葬儀を執り行うことができました生前に賜りましたご厚情に 故人に代わりまして深く感謝申し上げます早速拝眉の上御礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます」【供花・お供物へのお礼状 文例】「(故人の続柄・氏名)儀 葬儀に際しましては ご丁重なるご弔意ならびに立派なご供花(お心のこもったご供物)を賜り 誠に有難く厚く御礼申し上げますお陰様で 厳粛なうちに葬儀を執り行うことができましたこと 厚く御礼申し上げます故人もさぞかし皆様のお心遣いを喜んでいることと存じます生前に賜りましたご厚情に 改めて深く感謝申し上げますつきましては拝眉の上御礼申し上げるべきところ 略儀ながら書中をもちまして謹んでご挨拶申し上げます」これらの挨拶状を送るタイミングは、葬儀後少し落ち着いてから忌明け(四十九日)までを目安とします。もし同じ方から香典と弔電の両方をいただいた場合は、香典返しに添える挨拶状の中に「ご鄭重なるご弔電も賜り、重ねて御礼申し上げます」といった一文を加え、併せて感謝を伝えるのがスマートな対応です。形は違えど故人を思うその温かい気持ちの一つひとつに、誠実に応える姿勢が何よりも大切です。