不祝儀袋は日常的に使うものではないため、次に必要になった時に慌てないよう、適切に保管しておくことが大切です。いざという時、手元に適切な不祝儀袋がない、あっても折れていたり汚れていたりしたのでは困ってしまいます。普段使わないものだからこそ、適切な方法で保管し、いつでも使える状態にしておくことが、予期せぬ事態への備えとなります。不祝儀袋の保管場所として重要なのは、湿気が少なく直射日光の当たらない場所を選ぶことです。湿気は紙を劣化させ、直射日光は色褪せの原因となります。また、日常的に目に触れる場所ではなく、かといって忘れてしまうような場所でもない、程よい場所に保管するのがおすすめです。仏壇の引き出しなどが候補に挙がることもありますが、仏具と一緒にせず、別の引き出しやスペースに保管するのが一般的です。押入れの上段や、あまり開閉しない引き出しなどが適しているでしょう。保管する際は、折れたりシワになったりしないよう、平らな状態を保つことが重要です。クリアファイルに入れたり、箱に入れたりして保管すると良いでしょう。また、急な訃報に備えて、不祝儀袋と一緒に薄墨用の筆ペンや、紫など弔事にも慶事にも使える袱紗をセットにして保管しておくと、さらに安心です。必要なものが一箇所にまとまっていると、いざという時に探し回る手間が省けます。複数枚用意しておく場合も、用途や金額別に分類して保管しておくと、必要な時に迷わず取り出せます。例えば、一般的な黒白の水引のものと、関西方面で使われる黄白の水引のもの、宗派別のものなどを用意するなら、それぞれ区別できるようにしておきましょう。書き損じたり、結果として使わなかった不祝儀袋は、そのまま保管しておくと縁起が悪いと考える人もいます。書き損じたものは新しいものに替え、古いものは感謝して処分するか、お寺や神社のお焚き上げなどに出すこともあります。使わなかった場合は、次に備えて保管しておいて問題ありませんが、折り方が変わるなど古くなったものは、新しいものを用意し直すのが丁寧です。適切に不祝儀袋を保管しておくことは、日本の弔事における心遣いの一つです。いざという時に慌てず、故人やご遺族へ失礼なく弔意を示すためにも、日頃から備えをしておきましょう。