葬儀返礼品の相場と基本知識
大切な方を亡くされた悲しみの中、遺族は葬儀の準備という現実に直面します。その中で多くの方が悩むのが、参列者への感謝のしるしである「返礼品」の準備です。特にその相場については、失礼があってはならないと気を使う部分でしょう。まず理解しておきたいのは、返礼品には大きく分けて二つのタイミングがあるということです。一つは、通夜や告別式の当日に直接お渡しする「当日返し(即日返し)」。もう一つは、四十九日の法要が終わった後に改めてお送りする「後日返し(香典返し)」です。どちらの場合でも、返礼品の金額を決める上での基本となる考え方が「半返し(半額返し)」です。これは、いただいた香典の金額の半額程度の品物をお返しするという、日本の古くからの慣習です。例えば、一万円の香典をいただいた場合は、五千円程度の品物を選ぶのが一般的な相場となります。この半返しの文化は、相手の厚意に対して過剰にならず、かといって失礼にもあたらない、程よいお返しの形として社会に定着してきました。ただし、この相場には地域差があることも知っておく必要があります。東日本では半返しが主流ですが、関西地方をはじめとする西日本では、いただいた香典の三分の一程度の品物をお返しする「三分の一返し」が一般的とされる地域も少なくありません。どちらの慣習が正しいというわけではなく、その土地の文化や慣習に合わせることが大切です。もし自分の地域の慣習が分からない場合は、葬儀社の担当者や地域の年長者に相談するのが最も確実です。葬儀の返礼品選びは、相場の理解から始まります。まずはこの「半返し」または「三分の一返し」という基本を念頭に置き、その上で故人や遺族の感謝の気持ちが伝わる品物を選んでいくことが、心のこもったお返しの第一歩となるのです。