先日、学生時代からの親友のお母様が亡くなられ、私は通夜と告別式で受付のお手伝いをさせていただくことになりました。突然のことで憔悴しきっている友人の力に少しでもなりたい、その一心での申し出でした。慣れない作法に戸惑いながらも、他のご友人たちと協力し、弔問に訪れる方々を丁寧にご案内し、香典をお預かりするという大役を、どうにか無事に終えることができました。葬儀が滞りなく終わり、参列者の方々もお帰りになった後のことです。慌ただしかった会場が静けさを取り戻した頃、喪主である友人の父親が、私たちのところへわざわざ足を運んでくださいました。そして、深く頭を下げ、「本日は娘のため、そして家内のために、本当にありがとうございました。皆様のおかげで、無事に式を終えることができました」と、丁寧にお礼の言葉を述べられました。そして、私たち一人ひとりに、小さな白いポチ袋をそっと手渡されたのです。表には、震えるような、しかし心のこもった文字で「御礼」と書かれていました。私たちは、友人として当たり前のことをしただけですからと、固辞しようとしました。しかし、友人の父親は「どうか、私たちの気持ちですから受け取ってください。これで、せめてお帰りの交通費にでも」と、穏やかに、しかし強い意志でおっしゃいました。その優しい眼差しに、私たちはそれ以上何も言うことができず、ありがたく頂戴することにしました。家に帰り、そっとそのポチ袋を開けてみると、中には数枚のお札と、小さなメモ用紙が折りたたんで入っていました。「心ばかりですが感謝のしるしです。本当にありがとう」。その短い一文に、私は胸が熱くなるのを抑えられませんでした。金額ではありません。悲しみと疲労の極致にある中で、私たちお手伝いの者にまで細やかな心遣いをしてくださった、その温かいお気持ちが何よりも嬉しかったのです。ポチ袋という小さな紙の袋が、これほどまでに人の心を温かく、そして豊かにするものであることを、私はこの時初めて知りました。それは、故人とご遺族の誠実な人柄に触れたような、忘れられない経験となりました。