近親者のみで葬儀を行う場合、案内状を送る範囲やその文面、そして参列者へ渡す返礼品の選び方には、少人数ならではの配慮が必要です。まず案内状についてですが、近親者のみで行うと決めたら、参列してほしい方だけに個別に連絡をします。電話やメールでも構いませんが、正式には封書やハガキで案内を出します。その際、「誠に勝手ながら故人の遺志により葬儀は近親者のみで執り行います」と明記し、参列をお願いする方には日時と場所を伝えます。参列をお願いしない方に対しては、葬儀が終わるまで連絡を控えるのが一般的ですが、どうしても事前に知らせる必要がある場合は「ご厚志は固くご辞退申し上げます」と書き添え、参列を遠慮していただく旨を明確に伝えます。中途半端な表現は、かえって相手を迷わせてしまいます。次に、参列してくれた近親者へ渡す返礼品(会葬御礼)についてです。一般葬では、お茶やタオル、海苔といった、いわゆる「消えもの」の1000円から3000円程度の品を一律に用意しますが、近親者のみの場合は、もう少しこだわった品選びが可能です。例えば、故人が愛飲していた高級コーヒーセットや、地元の有名店の和菓子、あるいは少し質の良いカタログギフトなど、受け取った親族が「あの方らしいね」と感じられるような品を選ぶことができます。人数が少ない分、一人一人の顔を思い浮かべながら選べるのがメリットです。また、香典をいただくことが前提であれば、その場で香典返し(当日返し)を渡すのか、後日改めて配送するのかを決めます。近親者のみであれば、葬儀当日は会葬御礼のみを渡し、香典返しは四十九日後に個別に対応する方が、事務的な手間が省け、かつ丁寧な印象を与えます。また、返礼品に添えるメッセージも重要です。定型文の礼状も良いですが、10人程度の家族葬なら、小さなカードに故人の晩年の様子や感謝の言葉を自筆で一言添えるだけで、温かみが格段に増します。近親者のみの葬儀は、お返しをする相手も限られているからこそ、一つ一つのアイテムに想いを込めることができます。それが、単なる儀礼を超えた、心の交流としての葬儀を作り上げることになります。品物の価値以上に、「あなたには来てほしかった」という気持ちが伝わることが、何よりの返礼となるはずです。